#2 鬼海弘雄のこと(続)
3月17日(土)曇りときどき晴れ
「人生いろいろだね」といいながらも、ぼくとつきあいのある人たちはぼくとたいして変わりがない。ぼくたちには共通了解というかルールがきちんとある。
想像を絶する枠組みの中に放り込まれる経験は、日常生活ではほとんどないといっていい。
鬼海が撮った肖像写真を見ていると、「ともかく人は圧倒的に孤独なのだ」と感じる。
ふだん、いかにぼくが誰も彼もを十把一絡げに見ているか。想像力を働かせることなく、機械的にストックフレーズを発信し続けているか。
個人はどこまでも個人なのである。その人独自の細部を膨大に積み重ねてユニークな存在感を形作る。
そして、他人を理解するのは不可能。無理くりに理解しようとするのではなく、そのままで受け入れるしかない。それはすごく勇気のいること。
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